患者さん
「患者さんの体験」
地域や時代により、患者さんの医療体験は違います。
患者さんは今まで体験したことにより、基準が出来ています。
新しいクリニックが出来て、クリニックを変える場合、今のクリニックに不満があって、 新しいクリニックに期待感をもって来院されます。
つまり過去(今行っている既存クリニック)の体験でクリニックの基本的な期待値が出来上がっています。
そして、新しいクリニックに行って、その期待値より実態が低かった場合はもとのクリニックに戻っていってしまいます。
診療圏調査が全く同じ数字を出していても、リピート率が高いクリニックと低いクリニックにより盛業度合いがまったく変わってくるのです。
私、小副川は過去65件以上の継承開業をコンサルしてきています。
診療圏の環境が全く同じでそこで働いていたスタッフが全く同じであっても、患者さんが増えるケースもあれば患者さんが減るケースも数多く見てきています。
特に継承開業のコンサルをしたての頃は継承開業のノウハウ自体もそれほどなかったため、患者さんが減るケースの方がかなり多かった時代もあります。
それこそ継承物件で開業すれば、残酷なくらい以前の患者さんや以前からいるスタッフから比較をされます。
よくあったのが継承する側の先生が継承する前の先生がやられていたクリニックのカルテを見て、自分はもっとレベルが高いことができると思って一生懸命される方ほど患者さんが減ったりするのを見てきました。
特にすごく流行っていて営業権などを言ってこられるクリニックほどその院長のカリスマ性や人柄で患者さんが通ってきてくれることが多く、継承物件のハードは継承できてもその院長の人柄やカリスマ性までは継承できないので、そこを患者さんやスタッフから比較され、苦しまれる先生を数多く見てきました。
これは継承で患者さんを減らさない方法もノウハウとしてあるにはあるのですが、まず前の患者さんや前からいるスタッフから比較をされるということは継承開業であっても新規の開業であっても同じです。
継承開業の場合はダイレクトに比較をされるのですが、新規開業の場合は、周辺の既存の過去に行っていたクリニックの体験と比較されます。
そしてその比較をする患者さんは医学的には素人です。どんなに高い医療をやっていても同じ医療関係者は理解ができたとしても地域に住んでいらっしゃるほとんどの医学的知識が素人の患者さんにはそれをきちんと理解することは能力的に不可能だと思います。
そして日本は厳しい医療法があるためご自身の優れている医療を正しく地域の方に伝えることが非常に困難な状況にあります。
実際、新規開業をして新患の数が月に100人来たとしてもリピート率が低いクリニックと、高いクリニックの数年後の患者数は何倍も違うことがあり得るのです。
つまり、リピートが悪いとそのうち新患は途絶えていきます。逆にリピートが良いクリニックの場合、患者さんの満足度が高いため口コミもどんどん拡散していきます。
長年(20年以上)クリニックの新規開業のコンサルを経験する中で、1人の患者さんが影響を与える周辺患者さん(家族や友人、周辺の住民)は15人前後はいると考えています。
そしてこれはプラスの口コミとして15人前後の人に影響を与える可能性がありますが、逆に悪い口コミ、悪い評判であればその悪い口コミが15 人前後の人たちに伝わっていく可能性があるということです。
特に最近はグーグルマップのレビューなどで地域の患者さんとして来院した人が星1つのクレームをクリニックで言うのではなく、グーグルマップのレビューで患者さん自身の不満をストレス発散のように吐き出すというような現象も起こっています。
グーグルマップのレビューの口コミで悪い口コミがあった場合、注意深くいろいろな競合リサーチをしていると思うのですが、医療関係者側のさくら的な星5つのレビューなども見受けられます。
ただこれはほとんど素人の患者さんから見てもクリニック側もしくはクリニックの知り合いの方が書いたのではというのがすぐバレる印象があります。患者さんもすでに賢くなってきており、本当の患者さんの声か医療関係者側の患者さんの声なのか判断できるようになってきているように感じます。
患者さんはご自身の医療体験から無意識に比較をします。その比較は患者さんの主観である満足度にあり、患者さんの満足度は何を基準に作られているかという部分にかかわってきます。
非常に大切なことなのですが、ほとんどのクリニックでは患者満足度を高めるために思考錯誤するも、何を基準に実行すればいいかわかっていません。
指導するコンサルでも理解している方と、理解していない方がいるくらいですので。
その基準をスタッフに教育する方法や、スタッフに理解させる方法などやれることは数多くあります。
患者さんの満足度を上げるにはソフトの部分が非常に重要です。ハードは見てわかるので真似がしやすいのですが、ソフトは外から見てもわからないので真似されにくく、一番の競合対策にもなります。
これは院長だけの問題ではなく、受付や看護師の方などの患者さんに対する意識や、そのクリニックが大切にしている医療理念などソフトの部分がいろいろなところで関わってきます。
そしてこのソフトの部分を一貫性があるように組み立てておかないとその地域の信頼は積みあがっていきません。
先生ご自身のクリニックを地域でブランド化していくためには練りに練ったソフトの部分とそのソフトの一貫性が非常に重要になってきます。
新規開業でいろいろな開業情報を集められる先生は増えてきていますし、いろいろなホームページをネット上で覗いてみたりしても、様々な情報が転がっていると思います。
ただその情報はレベルが高い人が書いた情報もあればレベルが低い情報もあるかもしれません。その中でご自身で一貫性のあるソフトを作り上げることは非常に難易度が高いことでもあるのです。
中にはこの一貫性を感覚的にやってしまう方もいるのですが、情報を一つ一つ集めその矛盾の中で開業を進めていかれる方は逆に副作用が起きて一貫性がなくなり、地域のクリニックのブランド化から遠ざかることもあり、世の中の新規開業を観察、研究しているといろいろな部分が見えてきます。
また、ソフトの部分やクリニックの患者さんの満足度という意味で、マイナスのクレームを言う人のスピードや量は良い口コミをする人の5倍くらいの速さがあると言われています。
ある大学の心理学の教授が自分の学生に対して良い情報と逆に悪い情報の2つを実験的に拡散したケースがありました。その時に良い噂の拡散と悪い噂の拡散で調べたところ、悪い噂をした人のスピードや拡散が良い噂の5倍あったとのデータがその実験結果でエビデンスが出たのです。
そして頭に置いておいてほしいことがあります。ほとんどの患者さんは不満を持ったとしても、クリニックの院長先生やスタッフに文句を言える方は確率的に非常に低いと思っています。
今でこそ若い人などはグーグルマップのレビューなどに不満を書いていますが、現実は不満を持った方はクレームを言いきれず、そこのクリニックには二度と行かない、かつ悪い口コミを拡げるという負のスパイラルが起きています。
良い口コミが発信されるクリニックと悪い口コミが拡散されるクリニック。診療圏調査が全く同じ数字のクリニックでも開業後の経営の患者数や売り上げ利益は大きく、何倍も変わってきます。
ソフトが非常に重要になってきますし、そのソフトの構築などノウハウが非常に大事になってきます。これはコンサルタントが持っているノウハウのレベルにもよりますが、そのコンサルタントのレベルを見極めることができる先生ご自身の目利きの能力も重要になってくるのではないかと思います。
患者さんの満足度が非常に重要になってきます。
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