損益計算書
損益計算書とはどういうものか。これについては、企業会計原則という会計上のお約束がありますので、これを あげておきます。
企業会計原則(昭和57年4月20日 大蔵省企業会計審議会)
第二 損益計算書原則
(損益計算書の本質)
一 損益計算書は、企業の経営成績を明らかにするため、一会計期間に属するすべての収益とこれに対応する すべての費用とを記載して経常利益を表示し、これに特別損益に属する項目を加減して当期純利益を表示しな ければならない。 A すべての費用及び収益は、その支出及び収入に基づいて計上し、その発生した期間に正 しく割当てられるように処理しなければならない。ただし、未実現収益は、原則として、当期の損益計算に計上 してはならない。
前払費用及び前受収益は、これを当期の損益計算から除去し、未払費用及び未収収益は、当期の損益計算に 計上しなければならない。
B 費用及び収益は、総額によって記載することを原則とし、費用の項目と収益の項目とを直接に相殺すること によってその全部又は一部を損益計算書から除去してはならない。
C 費用及び収益は、その発生源泉に従って明瞭に分類し、各収益項目とそれに関連する費用項目とを損益計算書 に対応表示しなければならない。
(損益計算書の区分)
二 損益計算書には、営業損益計算、経常損益計算及び純損益計算の区分を設けなければならない。
A 営業損益計算の区分は、当該企業の営業活動から生ずる費用及び収益を記載して、営業利益を計算する。
二つ以上の営業を目的とする企業にあっては、その費用及び収益を主要な営業別に区分して記載する。
B 経常損益計算の区分は、営業損益計算の結果を受けて、利息及び割引料、有価証券売却損益その他営業 活動以外の原因から生ずる損益であって特別損益に属しないものを記載し、経常利益を計算する。
C 純損益計算の区分は、経常損益計算の結果を受けて、前期損益修正額、固定資産売却損益等の特別損益 を記載し、当期純利益を計算する。
D 純損益計算の結果を受けて、前期繰越利益等を記載し、当期未処分利益を計算する。
(営業利益)
三 営業損益計算は、一会計期間に属する売上高と売上原価とを記載して売上総利益を計算し、これから販売費 及び一般管理費を控除して、営業利益を表示する。
A 企業が商品等の販売と役務の給付とをともに主たる営業とする場合には、商品等の売上高と役務による 営業収益とは、これを区別して記載する。
B 売上高は、実現主義の原則に従い、商品等の販売又は役務の給付によって実現したものに限る。ただし、 長期の未完成請負工事等については、合理的に収益を見積もり、これを当期の損益計算に計上することができる。
C 売上原価は、売上高に対応する商品等の仕入原価又は製造原価であって、商業の場合には、期首商品たな 卸高に当期商品仕入高を加え、これから期末商品たな卸高を控除する形式で表示し、製造工業の場合には、 期首製品たな卸高に当期製品製造原価を加え、これから期末製品たな卸高を控除する形式で表示する。
D 売上総利益は、売上高から売上原価を控除して表示する。 役務の給付を営業とする場合には、営業収益 から役務の費用を控除して総利益を表示する。
E 同一企業の各経営部門の間における商品等の移転によって発生した内部利益は、売上高及び売上原価を 算定するに当たって除去しなければならない。
F 営業利益は、売上総利益から販売費及び一般管理費を控除して表示する。販売費及び一般管理費は、適当 な科目に分類して営業損益計算の区分に記載し、これを売上原価及び期末たな卸高に算入してはならない。 ただし、長期の請負工事については、販売費及び一般管理費を適当な比率で請負工事に配分し、売上原価及 び期末たな卸高に算入することができる。
(営業外損益)
四 営業外損益は、受取利息及び割引料、有価証券売却益等の営業外収益と支払利息及び割引料、有価証券売却損、 有価証券評価損等の営業外費用とに区分して表示する。
(経常利益)
五 経常利益は、営業利益に営業外収益を加え、これから営業外費用を控除して表示する。
(特別損益)
六 特別損益は、前期損益修正益、固定資産売却益等の特別利益と前期損益修正損、固定資産売却損、 災害による損失等の特別損失とに区分して表示する。
(税引前当期純利益)
七 税引前当期純利益は、経常利益に特別利益を加え、これから特別損失を控除して表示する。
(当期純利益)
八 当期純利益は、税引前当期純利益から当期の負担に属する法人税額、住民税額等を控除して表示する。
(当期未処分利益)
九 当期未処分利益は、当期純利益に前期繰越利益、一定の目的のために設定した 積立金のその目的に従った取崩額、中間配当額、中間配当に伴う利益準備金の積立額等を加減して表示する。