眼科収支状況
眼科医院の収支(損益)状況(個人無床診療所)
医院開業のご相談において経営の収支について質問を受けることがよくあります。
科目・地域・形態・投資額・マーケットなど様々な要因により変わってくるのですが、中央社会保険医療協議会 により第15回医療経営 実態調査が平成17年6月実施されていますので参考のため簡単な概要をお話したいと思います。
また、今回は医院開業の参考としてのため、個人で且つ無床の医院が対象です。
まずこの調査の対象となった医院は全国で全科2,480件、その内有効回答施設数は1,123件です。 抽出方法は無作為のようです。また、期間は平成17年6月の1月間の数値であるため実際には季節指数などの 調整が必要かと思われます。この調査あくまで参考であり、実際の先生ご自身の医院開業では、地域・形態・投資額 ・マーケットなど様々な要因により変化しますのでオリジナルの調整が必要と思います(ご自身のやりたい医療により変わるため)。
眼科の個人且つ無床診療所の収支状況をみていきます。(調査施設数38)
医業収入-医業費用=医業収支差額(損益)という形になり結論からいうと
医業収入(6,139千円/6月分)-医業費用(3,129千円/6月分)=医業収支差額(3,009千円/平成17年6月分)
但し、各々の医院により投資額や借入れの金額、返済金額などが変化するため実際の税引及び金融機関への元本返済後 の手残り利益は変わってきます。
収支の内訳ですが、まず医業収入6,139千円の内訳をご説明します。
①保険診療収入(5,979千円)
②公害等診療収入(11千円)
③その他の診療収入(76千円)
④その他の医業収入(74千円)となっています。
その他の収入は保健予防活動収入や医療相談収入等が入っています。
医業費用3,129千円の内訳をご説明します。
①給与費(1,355千円)・・・職員の給与、年間支給賞与の1/12、法定福利費等。
②医薬品費(318千円)・・・平成17年6月に費消した医薬品の購入額。
③材料費(285千円)・・・レントゲンフィルム等の費消額。
④委託費(136千円)・・・検査、医療用廃棄物、医療事務等の委託費など。
⑤減価償却費(194千円)・・・建物、建物付属設備、医療機器等の前年度減価償却の1/12
⑥その他の医業費用(842千円)
この数値は参考です。都市も地方も戸建もテナントも押し並べてのデータでありそれぞれの要因により堅めの修正が必要です。 特にこれからの医院経営は平成18年6月14日に成立した医療制度改革法により いやがおうでも変化が出てきます。つまり経営として変化に対応できる体質づくりや経営計画・事業収支が重要になってきます。 医院開業において開業前の事業計画の重要性がさらに高まってくると思われます。