継続コンサル
事例1
先日開業後も継続コンサルしているクリニックの院長と打ち合わせしてきました。
パラシュート的な開業にもかかわらず、初月から周辺の同月オープンのクリニックのカルテ枚数3倍ほどのスタートがきれたクリニックで順調な顧問先です。
新患のパーセンテージはいまだに外来の50%を超え順調でした。
毎月課題を出し、来月その結果と修正を行い改善を繰り返していってもらっています。
院長の性格にもよるのですが、ひと月後の目標があれば迷いなく前進していただいています。
またその課題を実行するスタッフも優秀で、院長のイメージを具現化してくれるレベルまでいっています。
もちろん100%ではありませんが、院長の医療理念や頭の中を理解し、同じ方向を向いて「院長〇〇をしておこうと思いますけど、いいですか?」といった感じで、すでに院長の頭の中を理解して勝手に動いていってくれています。
クリニック自体が自動化に近づいていって、私から見ても理想的なクリニックに見えます。
院長の性格にあったスタッフを、全員性格分析や数多くのテストを合格した方だけ採用していて、想定通りというか想定以上のレベルでした。
今月はスタッフにも課題を出したので、来月以降の変化が楽しみではあります。
事例2
当社の場合、新規開業のコンサルだけではなく開業後のコンサルもしています。
既存のコンサル先のドクターからのご紹介などで、開業して1~2年経っても患者さんが思ったように増えないというご相談等でコンサルに入るケースもあります。
途中からコンサルする場合、問題点のほとんどは、患者数、売上、収益、マーケティングなどの問題もしくはスタッフ関係の労務の問題、この二つに悩み事は集中しています。
また、両方あるケースもあります。マーケティングに関わることは、既存のコンサル先を分析・分解していくと色々とやれることが見えてきます。
やれることをやっていなくて結果が出ていないクリニックが多かったりするので、これをテーマとして掲げ、実行してもらえばほとんど結果は出てきます。
過去のコンサル先で数多くやってきた再現性があるノウハウを実行していただければ、その地域の周辺環境つまり競合や人口構成やさまざまな要素によって結果の出方が大きかったり小さかったりしますが、とりあえず簡単にできることを一通りやっていただくと、その地域の特性がリアルに見えてきます。
地域の特性を理解した上でのマーケティングにカスタマイズしていくと、再現性のある形で結果が出てきます。
ただ、それを実行する為には、時間・労力・お金がかかります。
このバランスの中でできることを一つ一つやっていただくことになりますが、この実行量が多いところは大きな結果が出ますし、少ないクリニックは効果が小さく出るという当たり前のことが起きてきます。
周辺環境の違いだけではなく、そこの地域の患者さんへのアピール方法やその内容、クリニックのスタンスなど色々な要素が絡み合って結果は出てきます。
しっかりとした土台を作った後にマーケティングをしていかないと、実際の結果は空回りすることが非常に多いです。
正しい入口で正しいやり方でやっていくと正しい結果が出るのがほとんどです。
もう一つは、労務の問題の改善です。
どちらかというとこの労務問題で苦労されているクリニックが多いのではないでしょうか。
ほとんどのクリニックの場合、15分程度の面接の中で働ける時間や経験などを聞いて採用を決めているところが多いと思いますが、そのレベルではその人の価値観や実際の能力の分析などができませんし、その状態で採用すると労務のトラブルが起きて当然かと思います。
新規開業の場合、病院で勤務されている先生が信頼をもってその病院のスタッフを引き連れて開業されるケースが多々あります。
その場合、実は一般的な人件費の平均値よりも高くなる傾向があります。
それは、病院とクリニックの組織運営の違いとも関連してくるのですが、病院は組織が大きい分、看護師の仕事範囲と責任が明確になります。
その為、病院で勤務されていた方は、クリニックのように少ない人数でスタッフ同士が助け合いながら仕事をする発想が乏しかったり、その環境に慣れていない方が多く見られます。
また、引き連れてきた方がリーダーとなる傾向がありますので、そうなると病院のやり方をクリニックで行うケースが非常に多いです。
責任の所在を明確にするような病院と似た組織運営になると、当然のごとく人件費は平均的なクリニックよりもどんどん上がっていきますし、人件費が上がるほど損益分岐点が上がります。
他の平均的な人件費のクリニックが黒字になるような患者数が来てくれたとしても、人件費が高いクリニックはいまだに赤字という状態が自然に出来上ってしまいます。フォームの始まり
新規開業の場合、ほとんどのドクターは、家賃の安い高いというところに目がいきがちですが、家賃がいくら高くてもスタッフの人数が1.5倍や2倍といった人が増えるようなマネジメントになってしまうと、そちらのほうが余程損益分岐点を上げてしまいます。
実際に私のコンサル先で、家賃が月に110万円+消費税で開業されているところもありますが、そこの人件費の比率は同じ地域の同じ科目のクリニックと比べたら人件費が3分の1程度になっています。
家賃の差額は50万円ありますが、人件費の差額は3倍以上(〇百万)です。
ただ、少ない人数でまわせばいいというわけでもありませんし、能力の低い人をたくさんいれたとしてもなかなかまわりません。
事例としてお話しますが、一日外来200人以上のコンサル先があり、そこで勤務する看護師は4人でした。その中で2対2の派閥ができてしまい、いがみ合いながら勤務されていたようで、それぞれが毎日1時間程度の残業があったそうです。
そのうち一番優秀なスタッフが対立していたスタッフに追い出される形で退職してしまい、残った3人のスタッフの残業はさらに増えました。
追い出された側のスタッフが優秀で追い出した側のスタッフの能力が低いということは、事前に性格分析や能力分析で分かっていたので、優秀な2人を残したほうがベストと判断し、追い出したスタッフ2人にはお金を払って退職してもらい、追い出されたスタッフを呼び戻し優秀なスタッフ2人体制で進めると、一人は残業が無くなり、もう一人は30分程度の残業で終えることができるようになりました。
結果、残業代も含め人件費も半分以下になりました。
また他のコンサル先においては、前のスタッフの人数とほぼ同じくらいの人数のままでスタッフの入れ替わりを行ったところ、外来数が約2.25倍になったところもあります。損益分岐点が変わらず売上が2.25倍上がると、利益は2.25倍どころではありません。
能力が低い方ばかり集めると患者さんのキャパはすぐきてしまいます。
また、スタッフのマネジメントでクリニックの損益分岐点は大きく変わります。
スタッフの能力や性格を分析して改善を行ってくことを求められて、開業後のコンサルのご紹介をいただいております。
事例3
開業後のコンサルにおいての主な相談内容は、売上利益と労務関係になりますが、この2つの相談を同時に受けたケースがありました。
スタッフの接遇や対応が悪いとマーケティングで患者さんを集めたとしても患者さんが離脱してしまいます。
時間・労力・お金をかけても無駄になってしまうことがありますので、優先順位としてはスタッフのマネジメントの部分を先にコンサルすることが多いです。
あるコンサル先は、スタッフに足を引っ張られ続けていた為、労務の問題から手をつけました。
最終的にスタッフが入れ替わったことにより労務問題が片付いたので、院長のストレスが減り、スタッフマネジメントに使う労力や時間が改善されました。
その余った労力や時間をマーケティングに注いでもらった結果、新患が増えていき、売上利益の出る体質になりました。
売上利益と労務問題についてお話をしていますが、実際のところは病院が絡まっていないと経営内容の良いクリニックをつくることは非常に難しいと感じています。
その根っことなるのは、人のマネジメントの部分。
性格や価値観、能力を把握してマネジメント自体を先生ご自身ができるようになるか、またその能力をもったコンサルタントをつかうか、最終的にはどちらかを選択されるほうがお得かなと思います。