医院の計画
医院の計画になりますが、これも医療理念を中心に練っていきます。
基本的には診療方針の策定と、それを実現するための形はどうなるのか、そして計画をお金に置き換えた事業計画になろうかと思います。
診療方針の策定は、医療理念と院長ご自身を中心に内部環境の要因、外部環境の要因を見つめ、強み、弱み、機会、脅威など客観的 に様々な要因を出したり、仮定したりしながら理念に合った、なおかつ院長の医療人としての思いを実現する方針を策定していきます。 内部環境は、Drご自身の専門や診療の得意分野、特徴、を基本に対象患者を見据え考えていきます。外部環境は厚生労働省の方向性や 人口動態、少子高齢化社会、疾病構造の変化やニーズの変化などとなってきます。
自分の医院の医療理念や診療方針を実現するための形として、どういう形態でいくのか、専門性を打ち出すのか、プライマリーでいくの か。また、開業地の希望エリアはどの範囲にするのか。開業形態はテナントなのか、新築での開業なのか、はたまた継承開業なのか など。科目標榜はどうするのか。単体開業なのかクリニックビルのような複合的な開業なのか、方針に在宅や介護保険の戦略を盛り込むか など、ご自身の持っておられる特徴や希望の予算も含め形態を考えていきます。
そして医療理念、診療方針やその形態が固まってきたらそれを実現するためにはどういう医療機器がどれだけ必要で、診療や患者サービス のスペースとしてどれくらいの面積が必要なのか、予算はどうするのか、などをお金に置き換え事業収支をはじき出していきます。
最初に投資として、不動産にいくら(賃貸の場合初期投資は敷金や保証金、手数料など)建物や内装工事にいくら(概算だと面積に対し 坪単価いくらなどから)、医療機器や備品にいくら、医師会費用や開業諸経費にいくらなどトータル的に資金がいくら必要なのか。
それに対して自己資金はいくらになるのか、借入金はいくらになるのかその金利は?など資金調達方法や内容を考えていきます。
それから自身の医院のスタッフとして看護師が何人、事務が何人、月の賃料がいくら、医療機器のリース代がいくらなどランニングコスト を出していきます。
それに地域のマーケットから患者数がどれほど見込めて、一人当たりの単価を掛け合わせ売上高を算定していき、立ち上がり、や将来を 考え稼働率を考慮し数字をいれていきます。
全体いくらかかって、どれくらいの患者数がきたら、返済が出来、収入があり生活が可能なのかをこの事業収支でみていきます。当然 計画ですので、実際にオープンした場合見直しが出て来たりするでしょう。その時のためにもご自身である程度の概算程度の事業収支は 考えられておかれたほうがよいと思います。通常収入は固く、支出は大きくたてていき、変化の時に対策や計画変更できるようみておいた ほうがよいでしょう。