テナントスケジュール
医院開業テナントスケジュール
医院開業にあたってのスケジュールについてですが、まず都心部で一般的なテナント開業について述べてみたいと思います。
医院のテナント開業スケジュールですが、一般的な流れとそれに想定される時間はあるのですが、開業物件が決定するまでは時間が 読めません。開業しようと意思決定してすぐによい物件に巡り合うこともあるでしょうし、よい物件に出会えないこと、出会えても 他の方に物件を取られたり、最終的に判断が出来なかったりと様々なケースが出てきます。
医院開業の物件選定についてプロになるわけでもありませんので、どなたか医院開業のプロの相談相手を作られるのが得策かと思います。
これは診療圏調査のみではなく、動線や不動産自体の特性、競合との力関係も含め見ていくことが重要になりますので客観性をもった アドバイスを受けることが大切かと思います。
物件が決定した後はある程度計画的に開業まで進めることが出来ます。テナント開業の場合通常約半年見ておけば大丈夫ではないで しょうか。
次にテナント開業のスケジュールの流れを説明していきます(希望開業月から逆算してみてください)。
まず、最初にするのが開業をすると意思決定した後に
医療理念や診療方針を決めていきます。
次に医療理念や方針に沿って簡単な大枠の投資額や規模、形態を考えていきます。
次にロケーションをどうするか、何を優先するかということになろうかと思います。希望でいうと自宅から近くて、診療圏もよくて、 賃料も安くて等様々でてくるでしょうが100%の条件を求めて数年すごすよりある程度の期間を決め(例えば1年以内など)、その 中で検討していくほうが合理的だと思います。100%の条件を満たすものは縁の問題にもなってきますので。またそれをよい物件か どうか判断できる情報はもっていたほうがいいと思います。そうしないといい物件であっても判断できず見逃すことになるためです。
物件選定の判断として診療圏調査で収入の予測と開業可能性を探ります。
診療圏調査の数字と競合との優位性が判断出来、開業できると判断した場合、物件の意思決定です。テナントの場合、開業オープン時期 まで期間があっても不動産を押さえる必要がありますので、空家賃の問題の出てきます。視界性のよい物件ほど足が速かったりしますので (他の業種との競合もあります)支出も必要経費と考えよい物件を押さえることが重要かと思います。但し、間に入っている業者などに 依頼し、空家賃の期間を短縮してもらったり、その期間の賃料ディスカウントを交渉することは必要かと思いますが。
開業物件の目処がつけば、事業計画の作成です。設備投資にいくらかかるのか、運転資金はどれくらいの期間用意するのか、売上想定 はどうなるのか、支出はどうなるのか、その資金計画はなどを明確にし。先生ご自身の十分な理解が必要になってきます。経営者としての 財務の理解は必須ですので、ご自身で理解し確認することが大事かと思います。
次にその事業計画をもって金融機関との打合せです。金利や医院の場所に近い、金融機関の医療に対する取り組みなど様々なポイント を考慮して判断していったほうがよいでしょう。また公的機関との組み合わせもありますし。
平行して医院のプラン作成です。この場合設計事務所と建設会社のどちらに依頼するかという問題が出てきますが。テナントの規模にも よりますが、一般的にテナント規模で建設会社にプランをして貰ったほうがトータル的に安くなるケースが多いようです。但し、科目で センスやこだわりを表現したい場合は設計事務所の方がいい場合もあります。また建設会社に依頼する場合でも医療に強い業者でないと 様々な問題点が発生するケースがあるため業者選定は重要になります。基本は数社競争が理想です(物件を業者が押さえている場合も ありますので、メリット・デメリットを考えた上での検討が必要でしょう)。
平行して不動産の正式契約です。契約は融資が決定してからが一番間違いがないのですが、それだとよい物件の場合他の方に取られてし まう可能性が高まるでしょう。契約の効力が融資発生時からするとする停止条件つきの契約にするなどして対応することも大切になってき ます。ハード的にも最近ではアスベストなど問題がある不動産もありますので注意が必要です。また他にこまかな交渉手法もあるのです が、詳しくはご相談いただければと思います。
平行で大型の医療機器選定。国民金融公庫等の場合は融資交渉の段階で見積要求もありますので、大型の選定は早目が良いでしょう。
また、当然にプランや資金計画(購入かリースかなど)にも影響してきますので開業物件の目処がつけば早めの検討がよいでしょう。
案件が決まる前に動きすぎると情報が交錯するケースもありますので、物件選定後がよいかと思います。
融資、プランなどが確定してきたら工事の契約、内装工事という流れになります。工事は通常売ってある商品と違って図面での契約に なるため追加工事などの関係等事前に工事業者と打合せしてして、契約書もきちんとしておいたほうがベストかと思います。契約内容 のポイントはまた違うところでお話できればと思います。
工事進行中に印刷物の段取り、スタッフ募集の広告など(医師会チェックが入る地域もありますので注意必要です)。
スタッフ募集も時期に注意が必要です。広報の意味合いやよりよい人材の確保可能性が高い時期など。スタッフについては、募集方法、 採用段取り、面接、採用、採用後の段取り、スタッフ教育などがあります。いい人材を確保することが医院の成功角度を高める要因に なりますので、非常に重要です。
備品や医薬品の購入。医薬品業者の見積・決定(医薬品卸に開業支援そのものを依頼した場合、常識的にそこを使うことになるでしょう)。
工事完了後の機器導入、チェック。備品等の整理など。
開業前の連携先回りや関係各所挨拶など。開業の案内状の送付や内覧会開催も。こちらも各手法等いろいろありますが非常に重要です。
保険所等行政機関への届出。実地検査がある場合もあり、図面等の整合性や医療法との整合性が必須になります。
オープン。こられる患者はその地域の医療機関に何がしかの不満を持たれている方が多いので最初の対応が非常に重要です。