父業継承開業
父業継承開業とは、すでに医院として経営されている(いた)診療所を、親族が後継者として(開設者、管理者は変わりますが)継続して 地域医療を行っていく形の開業形態です。
特徴を簡単に言うと、既存のもしくは最近まで現実に○○人の患者いる(いた)などすでに地域で成功されている(いた)医院を 引き継ぐ場合非常に安全度の高い開業が可能になります。それと前院長の方針を引き継がないと患者の減少を招くケースがある、 数十年前からの医療規模や施設が多いため、後発開業の医院に施設的な面で対応策が取りにくい物件が多いなどです(建替え、 改装、移転も検討するケースもあります)。
実務においても、形態として大きく分けて3パターン出て来ます。
個人医院を個人が継承するパターンと医療法人を廃止・引越しして個人として継承するパターン、医療法人の理事長を交代するパタ ーンなどです。
個人医院を個人が継承場合、まず既存の個人医院を廃止し、新しく個人医院の開業の届出関係の処理を行います。
医療法的には同じ場所に違う開設者や管理医師がいることが考えられないため、必ずしなければいけないものです。廃止届で自動的に 処理できる項目もありますが、レントゲンなどは別個の廃止が必要ですし、既存医院が麻薬を使用していた場合など特に注意が必要です。
医療法人を廃止・引越しして個人として継承する場合ですが、これも医療法的には同じ場所に違う開設者や管理医師がいることが考え られないため、必ずしなければいけないものです。但し、法人の場合引越しという手もあります。
医療法人をそのままではなくこのようなケースはなぜとるかとういうと、特に長期閉院している場合すでに患者が他の医療機関にかかって いる場合は、再度オープンしても経営的に立ち上がり遅い場合が多く、税務的に法人より、個人の場合が有利と判断されるケースは 法人購入というパターンではなく、廃止もしくは法人移転という手続きを行い。その後個人で新規の開設届を提出するなどの手続きで 行います。
医療法人の理事長を交代する場合は、通常医療法人の出資金譲渡ということを行い、理事長交代の手続きを踏みます。その場合、定款の 変更等の法人の処理だけではなく、管理医師も変わるため医院としての行政処理も出てきますので注意が必要です。
経験豊富な業者に依頼する必要があるでしょう。
父業継承の場合第三者継承と違う注意すべき点として、贈与税や相続税といった医療とは別次元の対策も絡める必要があります。 この場合税務的なアドバイスと医院開業のノウハウの絡みもあり信頼できるところに依頼すべきでしょう。相続税などは長期、 中期、短期と長い期間を考え対策を練るべきであり専門的な知識や経験も大切になるでしょう。
成功する継承のためには、継承の期間や継承の方法、継承開業としての意識の持ち方、内示の対応、や既存医院の実態調査の手法 やポイント、患者さんへの継承の対応、取引業者との付き合い方、スタッフの対応、人脈・連携先の継承など多岐に渡ります。
こちらにおいても、また注意点も詳細は相談会などでご相談ください。