設計
設計は考え方として医院内の動線を中心に組み立てます。院長、スタッフ、患者さんの動線がクロスしないように、院長、スタッフ の動線は最小に院長、看護師、事務のスタッフの動きが業務上スムーズになるように、レイアウトを考えていくべきです。この場合 先生の通常の一歩の歩幅が何センチなのかを事前に測っておき、何歩で動きが取れるのかなどを考えることも参考になりますし、 医療機器の導入や配置も早めの検討が必要でしょう。
もちろん、機能面だけでなく医院としてのイメージや、安全面についての設計も重要です。
具体的には、
道路や駐車場から医院までのアプローチにおいては、車椅子対応にするか、手すりはどうするか、段差や幅、スロープの角度など。
玄関については、まず面構えというか医院の入り口ということがはっきりわかることが大切です。
次に土足にするのか、スリッパの履き替えにするのか、地域の気候の影響はどうか、患者層や子供が多いか少ないかなどを考慮し 判断していきましょう。
基本的には土足のほうが高齢者や身障者、妊婦にとってはやさしいし、靴の整理も必要ありません。靴棚等がなければ面積も余裕 が出ます。但し、雪が多い地域などの地域性や子供が多い医院については考慮が必要でしょう。子供対策としては履き替えのキッズ ルーム的な場所を確保されている医院もあります。あと注意点として床の清掃については、きちっとやることが必要でしょう。
履き替えでスリッパにする場合でも、殺菌機能のスリッパ棚や段差対策や待合を床暖房にするなど工夫もよいでしょう。
また、風除室については、基本的に設置しておいたほうが院内の温度の管理がしやすいためあったほうがよいでしょう。また風除 室からの待合動線も外の空気が直接入らないような動線がよいと思います。傘たてなども。
待合については、イメージとしては開放感があり落ち着いた感じがいいでしょう。窓やガラスブロック等で外光の取り入れ方の 工夫もよいでしょう。
広さについては、患者さんが通常何人すわれるかを考え、ゆったりとした椅子をおく事を考え面積を決めたほうがよいでしょう。 不足した場合は補助椅子を置くことも考えておきます。椅子については、高さ、座りやすさ、、清掃のしやすさ、患者層によって はひじ掛けがあったほうがよいか、横に寝かせられるほうがよいかなども検討です。配置としては患者同士の視線ができるだけ合 わないようにとか、受付から患者さんの状態が見渡せるようになどの配置も必要です。
他空調や換気、床暖房、キッズルーム、感染症の患者対策として隔離待合など。
クロスや床などについても、張替えも考えコスト・耐久性・柄など素材から考えることも必要です。
トイレについては、清潔なものはもちろん換気、明るさに注意することが必要です。
待合とトイレは地域の方の自宅よりもグレードを高くすることが必要です。自宅が洋式トイレでウォシュレットがついている方 であれば、それ以上のものでなければ不快感を与えることもありますし、自動乾燥機の設置や手すりのほか気配りをすることや 清掃管理も重要になります。
また、配置も患者の視線や検査なども考慮し、決めるべきです。
受付は、オープンカウンターが通常です。オープンカウンターが広まった理由はスタッフの顔が見えるという患者の安心感や患者 とスタッフとのコミュニケーションが大きいためスタッフの接遇も重要になってきます。よそがやっているということではなく、 理由も踏まえて見てみることも大切です。
カウンターの高さについても、考慮が必要です。
また、広さについてはそこに何をおくかを考え動線も含め考えていくことが大切です。
診察室は、患者さんのプライバシー保護と他部署との動線を考え配置をします。
また、診察机や椅子もどういったものを導入するかの検討も重要です。コミュニケーションや触診、動線、気配りを含め検討が 必要になってきます。患者さん主体で考えてみてください。
ほか科目にもよるかもしれませんが、面積的に可能であれば最初から2室確保し患者さんが着替えている間に院長が移動し診察など も効率的です。
処置室は、どのような機器をどこに置くか(どれくらい面積が必要か)、効率性を考えた動線はどうか、他注意点として床材につい ての検討も実務レベルで大切です。
その他倉庫(デジタル化も含め検討)も法律の関係で5年保管などの義務もあり大切、やスタッフの息抜きとしてのスタッフルーム やそこでの冷蔵庫や電子レンジなどの設置を含めた面積などなど。
最後に、その地域の同科目の競合医院の面積がおよそどれくらいで、そこでどのようなことをしているか、勝つためにはという発想 も必要です。知人の開業医の先生の医院が何坪だったので同じ面積でということではなく、その地域で勝つためには何が必要か ということが大切になってきます。