設計の依頼
設計は医院経営において非常に重要な意味があります。通常外観などイメージに目がいきますが、この部分は科目にもよるの ですがコストの範囲内でメリハリをつけてやるほうがいいと個人的には思っています。特に重要だと思う点はやはり動線です。これ は経験が豊富でノウハウがある会社と経験がないもしくは少ない会社では大きな差がでますし、工事をした後開業して動線が悪いか ら変更したいといっても出来なかったり、予算的にも大変だったりします。具体的にいうと動線が悪いと少し忙しくなったら人をす ぐ増やさないといけなかったり、プラン上患者アメニティーが悪いなどです。医院経営は人件費などの固定費が他業種と比較しても 大きく、どれだけスタッフや自分が効率的に動ける環境作りをするかで経営効率が変わってきます。
また、医院経営は立地や地域特性があります。都市計画法等法律の地域制約、地域性の問題で冬は大雪が降るとか、黄砂塵が舞うと か、塩害を受ける地域とか、よいほうでは地域のロケーションを十分にいかした設計とか、その他来院患者が自分の医院の敷地内や 出入り口で事故をおこさないような設計や医院経営の特性上隣接の住民にも特に気を配らなければなりません。このようにプラスポ イント、マイナスポイントを踏まえたうえで管理が必要になってきます。
つまり、医院の設計にあたり実績やノウハウのある設計事務所か建設会社に依頼することが安全になります。設計事務所や建設会社 を選択する場合、実績、ノウハウ、コスト、対応、担当者などを参考にすることが必要でしょう。 この場合まず設計事務所に依頼したほうが良いのか、建設会社に依頼した方が良いのかという判断が出てくると思いますが、これは 規模にもよりますし、発注までの段取りのやり方にもよります。
設計事務所に発注した場合、流れとして設計事務所が設計をし、その設計を基に複数の建設会社に競争見積もりを行い最低価格の業 者もしくは低価格で優良の会社への工事発注という段取りになります。この場合設計料として新築の場合5~12%程度の設計料に なると思いますが、億を超える建物であればこの方式が有利かと思いますが、規模が小さくて設計料の%が高い場合後で坪単価にな おしてみれば結構することもありますので、注意が必要です。例えば競争見積もりで坪単価60万円の工事費となった場合設計料が 10%だった場合+坪6万円となります。ようは価値があるかどうかになりますので、価格のみではなく少々の坪単価よりノウハウ 等付加価値も含め検討することが必要と思います。
また、設計を建設会社に依頼する場合でも不動産物件を建設会社が提案してきたものであれば特命になってしまうでしょうが、そのような 案件でない場合は複数の医院設計・建築に実績のある建設会社(もしくは設計事務所を含め)を事前段階でコストも含めた競争提案 してもらうことも有効でしょう。この場合医院設計のノウハウを持った建設会社でないと問題が出るケースもありますので、その選択 は重要です。例えば医院建設の実績があっても他の設計事務所が設計し監理をしている場合などは注意が必要でしょう。