開業地の選定
医院は立地産業という側面も持っているという認識をもって選定します。
人口、その構成、地域性、地域の中心はどこか人の流れ動線はどうなっているのか、その動線と競合の位置関係は、どこに落とすことに よってその動線を変えることが出来るのか(あるいは患者動線止めること)、医院の面構えは分かりやすいか、患者の利用にあたって 不便はないか、利便性はどうか、将来的な発展や変化の可能性はどうか、駐車場は確保できるか、診療圏の分断についてはどうなってい るのか、連携先の確保は大丈夫か、自宅との通勤はどうか、競合は少ないかどうかまたその状況はなどなど。
基本的な話は出来ますが、具体的には科目や専門性、戦略(医療理念、診療方針)その他プライベートの要因も含め立地は変わってき ますので注意、検討が必要です。
よい物件というのはその医院にとってよい物件かどうかという判断も重要です。
商業施設の隣であっても、その科目や、商業施設自体が土日型か平日型かによっても変わってきます。店舗でもコンビニにとってよい 立地とファミレスでよい立地でも変わってきます。例えば幹線道路沿いの店舗例(同じ店舗でもロケーションによって顧客は変わり ます)でいうとコンビニの商品売れる時間帯は夕方だとします。その場合勤務地の帰り車線に出店した方が、よいことになります。 つまり朝勤務地に行く前にコンビニによる人より、帰りによる人が多いためです。逆にファミレスの場合幹線沿いの店舗の売上が 上がるのは土日だったりします。この場合、レジャー施設などからの帰り車線の方が売上がよいそうです。その地域の勤務地と レジャー施設の位置関係が逆の場合、道路の右側にはファミレス、左側にはコンビニが多く並ぶなどの特徴がでてくると思います。 プロの店舗開発業者の立地選定は人口の商圏調査以外にも顧客の想定やその行動なども多角的に想定して案件を決めていきます。
医院の立地についても、科目や専門性、戦略などにより患者もその心理も変わってきます。都市型なのか、郊外の住宅なのか、 駅の近くがいいのか、救急車の搬送にも対応できるような道路沿いがいいのか、生活道路沿いがいいのかなどなど。 それも現在だけではなく将来どうなるかの想定も重要になってきます。
物件選定の要因をポイントですが、簡単に述べていきたいと思います。
(非常に重要な項目ですが、個別にあらゆることを想定した場合紙面が足りませんのでご了承ください。 詳細は相談会等でお話できればと思います。)
マクロ的要因としては、まず
どこで開業するか:なにを優先させるか
勤務している病院の近くか、またエリア的にはどの動線がよいか
自宅の近く、及び生まれ育った地元
競合の少ない地域、将来的な競合の参入の可能性はどうか
子供の教育の考慮など
どういう形で開業するか:単独かグループかなどなど
人口要因
年齢別人口構成
人口増加地区か、またその要因は
夜間人口、昼間人口(科目、時間の設定)
地域性、特性
都市計画
街の将来性(用途地域は?)、法的なもののみではなく地価の動向はどうかなど(地価が下がることにより都心部回帰の可能性)
都市計画(道路等)の有無、実現可能性・時期
再開発の有無、実現の可能性・時期
地域性
郊外か住宅地か
繁華街かビジネス街か
ミクロ的要因
交通
交通機関:駅・バス停との時間は
交通機関の本数:何分おきにあるか
道路状況:生活道路か幹線道路か。中央分離帯はあるかないか。
交通渋滞:渋滞あるなし
立地
遮断性:幹線道路や鉄道、河川による遮断があるか。
周辺の医療機関:競合の状況。競合に対し動線上有利か。地域医療の役割分担。
連携施設:連携施設との動線や接近性はどうか
視界性:医院の面構えが地域の人に認知しやすか。メイン道路から引き込み可能か。
職員確保:通勤に便が良いかどうか
生活動線:地域住民の生活動線はどうなっているのか。看板設置も。
マグネット施設:商業施設、公共施設などまたその利用年代や平日型か土日型かなどの特性の見極めも。
薬局:隣接して薬局はあるか
土地
地形:敷地乗り入れは安全か、道路法の許可が絡むこともあり開発専門家の判断が必要な場合も
駐車場:競合に対して勝てるか
下水:下水道が完備されていない地域は浄化槽が必要になり負担増。
競合医療機関の評価
調査項目になります。評価は絶対評価ではなく、競合が強いか弱いかにより相対評価になることもあるため注意が必要です。
面積
テナントの場合の必要面積
戸建の場合の必要土地面積など