事業計画策定
基本的に事業計画書自体はコンサルタントや医療関係の開業支援業者、会計事務所・税理士事務所が作成してくれると思いますが、 経営者になるわけですから、ご自身できっちり理解と変化の時に対策をうてるよう事前に検討しておくことも大切でしょう。
投資額
医療理念、診療方針や開業物件が固まってきたらそれを実現するためにはどういう医療機器がどれだけ必要で、診療や患者サービス のスペースとしてどれくらいの面積が必要なのか、予算はどうするのか、などをお金に置き換え事業収支をはじき出していきます。
最初に投資として、不動産にいくら(賃貸の場合初期投資は敷金や保証金、手数料など)建物や内装工事にいくら(概算だと面積に対し 坪単価いくらなどから)、医療機器や備品にいくら、医師会費用や開業諸経費にいくらなどトータル的に資金がいくら必要なのか。
例として
土地関連:借地の場合敷金など、土地買取の場合は土地代金以外に不動産取得税や登録免許税なども
建物関連:建物や内装工事費、
テナントの場合一般的な例である程度抑えていくというとレントゲン内装含みで35~40万円、但し仕様にこだわったりしているとすぐコストはあがっていきます。建物の場合構造により違いますが60~80万円程度。但しいずれも収支をはじく段階では高めに数字入力の必要あり
設計監理費:工事費の10%前後。業者や規模(規模が大きくなれば下がります)によっては5%
医療機器:考え方として、医院の患者の立ち上がりも考慮し絶対最初から必要なのか、後でもよいのかなどの検討。
備品:備品や医療用機器、事務用機器など。
開業諸経費:医師会費用、広報費、スタッフ関連、コンサルタント費用他
運転資金:診療報酬の入金のタイムラグや、人件費、賃料、水道光熱費などをどれくらいの期間耐えれるようにするか。これについては、私見ですができるだけ多めに組んでいたほうが いいと思います。理由はもし足りない場合金融機関から借りようとしても資金繰りが悪いことが理由になるとよい印象は与えませんし、バイトを入れる手もありますが、地域医療として 実際は閉院の時間以降も電気だけは点けておいたり、時間外の患者の対応をした場合の効果や、無理をしない診療を考えると冷静な時に余裕をもって計画を組んだほうが最終的にはよいと思います。
資金
投資額に対して自己資金はいくらになるのか、借入金はいくらになるのかその金利は?など資金調達方法や内容を考えていきます。
例として
自己資金
政府系金融機関
民間金融機関
リースなど
支出
それから自身の医院のスタッフとして看護師が何人、事務が何人、月の賃料がいくら、医療機器のリース代がいくらなどランニングコスト を出していきます。
例として
人件費:職種毎に分解し、賞与や労災、効用保険等の事業者負担の費用も考慮。専従者給与の場合生活費も含め考慮(上限が出てきますが)
医薬品・材料費:院内にするか、院外薬局にするか。科目ややることによりかわります、内科系でも循環器は比率的に上がりますし。
検査等の委託費:最終的には個別に分解。事業収支段階では概算で%でもよいと思います。
支払い利息:固定や変動に応じて微調整をする場合もあります。
リース料:
賃料:
減価償却費:建物や内装、設備、医療機器に対して、定率と定額という方式があります。基本的に定率が有利といわれていますが、 検討のうえ時期も考え選択してください。建物などは定額のみの償却になります。
公租公課:所有資産の固定資産税など
保険料:掛け捨ての火災保険など
その他経費:スタッフの交通費・制服クリーニング代など、交通費、電話・FAX・パソコンなどの通信費、看板や電話広告、 医師会等の会費、図書費、顧問料、警備保障、衛生費、雑費、その他。
収入
それに地域のマーケットから患者数がどれほど見込めて、一人当たりの単価を掛け合わせ売上高を算定していき、立ち上がり、や将来を 考え稼働率を考慮し数字をいれていきます。
単価:科目ややることにより変わってきますし、薬の院内、院外により変わってきます。平均単価を掛けていくか、似たような診療を されているご友人の単価を参考にするのもよいでしょう。
診療日数:実働日数をどうするか。競合はどうかなどを参考にしてください。
検討
全体いくらかかって、どれくらいの患者数がきたら、返済が出来、収入があり生活が可能なのかをこの事業収支でみていきます。
当然計画ですので、実際にオープンした場合見直しが出て来たりするでしょう。その時のためにもご自身である程度の概算程度の事業収支は 考えられておかれたほうがよいと思います。通常収入は固く、支出は大きくたてていき、変化の時に対策や計画変更できるようみておいた ほうがよいでしょう。